箪笥のひきだし

株式会社TAN-SU代表。コンテンツプロデューサー。畑楽人。地域や産地のPR戦略やメディア企画、情報開発、コンテンツ制作、商品開発など多数プロデュース。オンラインショップ『おちゃのま商店』の運営。高知県日高村オムライス大使。野菜づくりはルーティーンワーク。

月に2回の「出張おちゃのま商店」。3時のこいもにインスタグラマーさんも食いつく!香港のニュースをヒントにした物語メニュー!

12月20日(日)おはようございます。
山口やすゆきです。株式会社TAN-SUという会社を運営して、いろんなコンテンツやプロジェクトを作ったり、商品を販売したり、テレビ番組に情報を提供したり、地域や企業のプロモーションのコーディネートをしたりしています。

昨日、19日は月に数度の(今のところ2回)出張おちゃのま商店でした。
僕たちの会社ではオンラインショップ「おちゃのま商店」を運営していて、あそびクリエーターのリベットボタンのキャラクター作品や子供の学習アイテム、遊びグッズ、コラボ商品などを販売しています。保育士さんや福祉施設の方、全国の親御さんに楽しんでもらっています。

その、おちゃのま商店の商品を出張販売するのが出張おちゃのま商店です。千葉県野田市にTAN-SUが借りている古民家工房があって、今はサツマイモ農家の実のる屋さんが焼き芋農家として使ってくれています。月に数回ほど焼き芋屋さんの一角で商品やグッズやみんなで開発した「おやつ芋」、TAN-SUの畑で育てた野菜など販売しています。

f:id:yasuyuki_yamaguchi:20201220034159j:plain
f:id:yasuyuki_yamaguchi:20201220034302j:plain
野菜を販売したり、お芋農家さんの熟成芋を炊き上げたおやつ芋「3時のこいも」

お芋の絵本やお芋掘り用の軍手、朝どれ野菜、お芋を炊いてクリームチーズをトッピングしたおやつ芋などなど野菜をテーマにしたあそび場を作っている感じなんですが、売り場のレイアウトを工夫したり、売り方や宣伝を考えてみたり、ポップや掲載ツールを作ったり、実践形式の練習の場として楽しんでいます。おちゃのま商店は小さな物語を届けることをコンセプトに運営しているので、出張販売では直接お客さんとコミュニケーションを取ることができるので、いろいろ反応を見たり、意見を伺って勉強させてもらっています。

物語というと大袈裟かもしれませんが、出張販売を通じてちょっとした実験もしているんです。まずは物を売ることが素人なもんで客商売のお勉強という観点もあるし、食べること+楽しそうだな、っていう感情もセットでお届けしたいと思っているので商品に物語性をくっつける企画要素も盛り込んでいます。

f:id:yasuyuki_yamaguchi:20201220045459j:plain

ちょっとダサイ!?インスタの告知画像

その中でも一番の実験は、おやつ芋の「3時のこいも」と野菜の100円ショップです。まず、3時のこいもを作ろうと思ったきっかけは香港でのあるニュースでした。香港で日本のサツマイモが爆発的に人気だというのです。しかも炊飯器に入る小ぶりのお芋。実は香港では炊飯器でお芋を炊いて食べるのが大流行していて、宮崎県のある農家さんが破棄していた小ぶりの芋を香港に輸出して成功したそうです。自宅で簡単にできるし通常のお芋よりも小ぶりなんでおやつ感覚で楽しめるし、子供でも食べ切れるので使い勝手がいいんですね。

www.maff.go.jp

目の付け所、というのがポイントでしてサツマイモの新しいニーズを作ったアイデアがすごいと思って真似してみようとなったわけです。そして物語ポイントがタイトルです。タイトルは物語を作る上でとっても大切にしているし世界観が決まります。今回もオリジナルコピーを考えるのも楽しかった〜。3時のおやつ+小さなお芋(小芋)をミックスして「3時のこいも」という可愛らしさとデザインがマッチしたタイトルになりました。

もう一つ大事なことがあって、ただ面白いということだけでなくって、小さなお芋は焼き芋にするには物足りないし、スーパーの流通にも乗らないので規格外になってしまうんですが、肥料にしたり家畜の餌にしたりしているそうです。破棄するはずの小芋を炊飯器サイズの「炊く用」にすることで新しいニーズに生まれ変わらせたという点が面白いです。しかもフードロスにも繋がるという点もポイント!

f:id:yasuyuki_yamaguchi:20201220042743j:plain
f:id:yasuyuki_yamaguchi:20201220042816j:plain
スタッフと試食をして作ったおやつ用炊き芋「3時のこいも」

捨てていたお芋に命を吹き込むというのがある意味アイデアの醍醐味で物語づくりです。毎回イベントごとに改良を重ねて今は炊き方、水の分量、カット方法などレシピも安定してきました。4回のイベントで販売していますが、4時間〜5時間の営業で150セット販売しています(20個、30個とたくさん注文いただいた方に対応できなかったので、実際のオーダー自体は200個くらいです)。最近はインスタグラマーさんがわざわざ訪ねてきてくれるようにもなりました。ちなみに、ここでは僕たちは収益を上げることを目的にはしていません。あくまでもお客さんに物語を楽しんでもらうための物語づくりに重点を置いています。

もう一つはTAN-SUの畑で育てた野菜の販売です。朝どれ野菜を販売しているんですが、あくまでも家庭菜園の延長なのでプロ農家さんのように販売するのもおこがましいので、野菜の100円ショップとして販売しています。最近では野菜の価格も下がっているのでスーパーの相場をチェックして、100円でも満足してもらえるように工夫しています。同じ100円でも内容、価値は毎日変動するわけです。

 

f:id:yasuyuki_yamaguchi:20201220045450j:plain
f:id:yasuyuki_yamaguchi:20201220034213j:plain
売り場の作りを変えると商品の売り上げが変わった。

今回、2ヶ月間、冬野菜を販売してお客さんとのコミュニケーションからの気づきなんですが、赤大根と赤いじゃがいもの人気が圧倒的に高かったんです。ようするにスーパーでは買えない物を買いに来ている人の熱量が高かったんです。赤大根の酢漬けがめっちゃ美味しかったらしくて、来年は赤大根と赤いじゃがいも、赤カブなどたくさん育ててみようと思います。こうやって自分たちのオリジナルの物語や特徴を見つけていくととっても面白い発見が生まれるんですね。野菜も昨年から換算すると1000セット以上は販売しています。種代と畑の管理費で消えるんですがそれで十分です。

何より、畑で本当に野菜を作っているので、販売するグッズや商品に説得力が出てくると思います。頑張って作ったプロセスをしっかり見せていくことと、見ていただけるクオリティにすること、その伝え方、さらにはタイトルのセンスが問われる時代だなぁって感じました。僕も頑張って作った野菜がみんなに喜んでもらえるって嬉しいですからね。

来年1月の出張販売では、TAN-SUの野菜を使ったスパムおにぎりかポタージュを考えています。これも楽しみ!!ちなみに、知っている飲食店さんのブランディングならお金とかいらないのでボランティアで手伝おうと思っています。僕は勉強させてもらえるしお互い様ですね。


では、今日はゆっくり家族で過ごします!

山口やすゆき