箪笥のひきだし

株式会社TAN-SU代表。コンテンツプロデューサー。畑楽人。地域や産地のPR戦略やメディア企画、情報開発、コンテンツ制作、商品開発など多数プロデュース。オンラインショップ『おちゃのま商店』の運営。高知県日高村オムライス大使。野菜づくりはルーティーンワーク。

物語を作ろうと決めた日

久々の考察です。

毎日試行錯誤が続きますが、一体何に試行錯誤しているのかを棚卸している日々です。
養老孟司先生は「迷うということは人間ということ」とおっしゃっていた。

一言で言うならば「しょうがないw」ということだそうです。

 

最近、将来の目標ができまして少しだけ心が弾んでいます。

目標ができると活力が湧いてくるし創造性がかき立てられます。

そんなふうに将来を想像しながら、無駄なものや不向きなものを

一つずつ棚卸している状況です。

 

きっかけは、ある危機感。

うちの会社は少数のため外部とアライアンスを組みながら様々なメディア事業をしています。
僕たちの会社がハブになって企画したものを、それぞれの会社に外注するというのが、

基本的な作業の流れが通常です。

 

特に多いのはメディアや媒体を活用した観光PRのお仕事です。

僕は企画全体のプランニングや体制づくりを行うことが仕事なんですが、

僕がこれまで培ってきた経験と人脈の中でいろんなメディアの提案ができるため、

今のところは代理店さんからも重宝されている気がします。

もちろん自分たちで企画から制作まで全ての行程を仕切ることもありますが、

それはごくわずかで主に自分たちが生み出したオリジナルキャラクターや音楽制作や映像制作だけです。

いずれはキャラクターや音楽を生かして絵本や物語を子供達に残したいと思っているのですが、

日々の仕事に追われて、なかなか先行投資に費やす時間とコストを確保する決断ができません。

 

そうこう将来のことを考えていると、いつも早い決断の重要性にぶち当たりますが、

会社の経営のことを考えると、日々の売り上げが立たないことは恐ろしいことなので、

いつも決断するタイミングをうだうだと延ばしてネガティブな感情が芽生えてきます。

それでも会社はなんとか5年も存続することができています。

 

さて、今後の10年、20年、歳を重ねていくのであれば、本当にやりたいことをやろう!

正確には、本来やりたかったことに集中しよう!ということかな。

でも、そんな思いを抱えながらも、やっぱり日々の仕事に追われてしまうわけです。

要するに、僕のようなメディアプランニングという仕事はクライアントさんのニーズに対応する仕事なので、

自分たちが表現したい作品を作って、いろんな人に届けるお仕事とは真逆の仕事です。

 

総合代理店のような仕事の受け方にはいつも危機感を持っていました。

僕たちはクリエイティブを作る会社であって、代理店のような総合的な広告のお仕事は不向きな会社ですが、

これまでの経験で学んだ対処方法や捌き方、運用方法、外部ネットワークとの連携によって成り立ってしまっている点は

実は大きな問題点なです。これによって、将来自分たちが勝負したいことへの挑戦の時間が割かれてしまいます。

そんな危機感を日々抱いていました。



ただ、ゆっくりではあるけれど新しいキャラクターも生み出すことができました。

キャラクターを生み出してすぐに新しい製造メーカーの方々と出会うきっかけをいただきました。

これまではクライアントさんとのお付き合いと言えば、広報セクションの方々から予算を預かって

PRの設計をするというお仕事が中心。でもキャラクターを持ったことで商品開発やデザイン分野の

セクションの方ともお仕事をするようになって、一緒に商品を作り上げていく面白さにも出会えたことは

本当に大きな経験でした。

 

僕たちの作った物語が、ある商品となってスーパーやホームセンターの売り場に並ぶわけです。

キャラクターに役割を与えていただくことでなんだか命が吹き込まれたような気がして、

とっても嬉しい気持ちになったことは忘れもしません。

 

この経験によって、僕たちが本来やりたかった「物語を作ること」へ完全にシフトチェンジしたいと

はっきりと認識できました。子供から大人まで楽しめる物語を作れれば誰かをちょっとだけ幸せに

できるかもしれないと、より自分たちが特化した役割を持ちたい気持ちが強くなっていきました。

 

そして何より、僕自身もクリエーターでいることが重要だと思い、

もう一つの肩書きをタイトルプランナーにし、「山口タンス」というペンネームも作りました。

そうすることで、もう逃げ場はありませんwあえて自分をその道に追い込んでいく。

 

元々クリエーターではありましたが、仕事上プロデューサーとしての業務が多いので、

自分を一人の表現者としてアナウンスするタイミングを逸してしまったのが正直なところ。

でも表現したいことや作りたいものは山ほど生まれてくるので、経営と表現の葛藤の狭間で

苦しかったのが正直な気持ちですね。

 

でもこれからは、表現者として作品づくりをベースに置きながら、

仲間たちやチームのみんなが楽しめる場所を作るために、会社やアトリエを経営する

というスタンスに切り替えようと思います。言うなれば、ものづくり先行です。

 

そんな中で生まれてきたのが「物語づくり」です。

物語は、キャラクターにもなり、絵本や音楽や映像などたくさんの楽しい世界に変換できます。

そんな物語をおちゃのまに届けることを毎日の営みにしたいと考えています。そうすることで全ての日常の

出来事が「物語のカケラ」になります。僕はこの物語づくりやタイトルづくりでこれまで飯を食べさせて

もらってきたので、これからは世の中の役に立ついろんな物語を考えて送り出したい。

 

「出来たての絵本が読めるお店」

自前の印刷所を持って毎日パン屋さんのように出来立ての絵本が楽しめるお店。

とれたての野菜も置いて、雑貨も置こう。そんな絵本屋さんが町にあったら楽しくないですか?

経営って大小の問題ではなく、しっかりと未来を作ることにあると考えれば悪くないです。

 

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今日のスケッチ「クリーンアートマーチ」
お掃除キッドたちの物語。

 

山口タンス