箪笥のひきだし

株式会社TAN-SU代表。コンテンツプロデューサー。畑楽人。地域や産地のPR戦略やメディア企画、情報開発、コンテンツ制作、商品開発など多数プロデュース。オンラインショップ『おちゃのま商店』の運営。高知県日高村オムライス大使。野菜づくりはルーティーンワーク。

2011年、ストラクチュアル・ホール時代の到来を感じて、僕のライフワークは野菜作りになった。小さなサブスクづくり。

おはようございます。
昨日はTAN-SUの農園の朝どれ野菜を持って地元流山市にある飲食店(チョロン)に届けてきました。今年は気候に恵まれて野菜が豊作なので配っても配っても配り足りないので、飲食店さんに使ってもらったり、知人に送ったり、季節のご挨拶やお歳暮がわりに毎日配達しています。あ、これは仕事というより社会活動に近いですね。

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朝どれ野菜と青空と。

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ベトナム&タイ料理「チョロン」は大人気!

さてさて、突然ですが毎日未来を考えています。
これからの世の中にどんな時代になるのかなぁ、どんなサービスが世の中を席巻するのかなぁってことをマーケティングしていく作業は自分たちの行動予測にもなってとっても面白いです。僕たちみたいな企画系のお仕事の人たちは、企業がアイデアや技術に投資してくれていた時代から、アイデアを具現化して良質な体験を作れないと生き残れない時代に変わってくると思うからです。

時代というといかにも「これから!」みたいなイメージですが、社会全体が時代の変化を認識するまでには多少のタイムラグがあるのですが、企業が提供するライフツールや新しいサービスに触れることで、僕たち消費者は、「あっ、時代が変わったんだ!」と認識するわけです。でもライフツールやサービスを生み出す企業は何年も前から膨大なデータをクラウド上に収集して未来予想をしているわけです。

僕たちのような社員の少ない小規模事業者や個人経営、個人事業主、中小企業などの日本経済活動を支えている多くの人たちは、2020年という未曾有の時代を境に未来をどうやって生きていけばいいのだろうかと不安になります。特に企業ブランドに依存してきた人たちが(良い意味で組織人)、自らの人生を見つめ直す時間になった人も多いのではないでしょうか?はい、僕もその一人です。


ここで面白い記事を紹介します。
noteから引用させてもらったんですが、エルモ@広告マーケターさんという方が書いたメディアモデルの未来予想図が面白いので紹介します。僕も全く同感。
note.com

この話は面白いでのまたどこかで書きます。

僕は2008年に当時働いていた古舘プロジェクトという会社内でPR事業をスタートし、2012年に地域活性プロジェクト「TAN-SU」を立ち上げて事業化したわけですが、同時に農業活動もスタートしました。プロジェクト名をつけることで固有のチームブランドとして「地域活性=TAN-SU」というイメージを持ってもらいたいという思いもありました。ある種のコミュニティ作りです。当然、将来的な起業に向けての準備と捉えていたので、社内でも名刺を勝手に作って独立運営させてもらっていましたw  あ、TAN-SUの名刺を勝手に作った時は、社長にえらい怒られたのを覚えてます。その後理由を説明して勝手に作ったTAN-SUの名刺と、会社の部署の部長名刺の2枚持つことを許可してもらい、晴れて堂々と名刺交換することができましたとさ。

2010年前当時、芸能業界およびメディア業界の中で地域活性をうたって事業を展開する会社ってほぼ皆無でしたし、社会支援や社会貢献というワードですら煙たがられていた時代でしたし、ソーシャルビジネスなんている言葉すら知っている人がどれほどいたか。社内からですら「そんな儲からないことをするなんて・・・」「ソーシャル・・・横文字系業!?」といった声まで聞こえてきたほどです。

その当時から僕はテレビの中だけの成功モデルではこれからは生き残れないだろうと思っていたし、これからは個人のブランドで戦う必要があるし、そのためにはコミュニティづくりが必要だと感じていました。テレビメディアの中だけの少ない席取りゲームでビジネをするには限界があると思っていて、テレビの外からテレビを見た時にどうなんだろうかと考えていました。自分自身の能力を分析した時に、僕はテレビの番組の企画を考えるよりも、メディアの活用方法やクリエイティブの活用を考える方が得意でした。同じ企画力でもコンテンツ向きなのか、事業設計向きなのかで役割も変わります。

当時Jリーグはじめ地方スポーツやゆるキャラご当地グルメ、、ご当地アイドルなど、地方を舞台にしたさまざまなビジネスも生まれていたり、交通の不便な人口1000人の村からとんでもない商品やサービスが生まれるニュースを見ていたので、地域や地方企業の事業をサポートしたいと思いから、事業の立ち上げを決断をしました。その後、AKBのようなスーパーご当地アイドルが市民権を得てスターダムにのしあがるわけです。

ストラクチュアル・ホールの時代を感じて、僕は野菜作りを始めました。

僕たちのような小規模事業者でも活路を見出す方法はあると思います。


それはコンテンツのライセンス化とマッチングです。今は会社の規模に関係なく、新しいサービスやライセンスを生み出せば、さまざまな業界とジョイントのチャンスがあると思います。メディア業界もそうです。一方的なコンテンツ供給型のテレビの時代から、ユーザーとダイレクトな情報が共有できYouTubeの時代へとサービスも大きく変わりました。必要もの以外は見たくないというメディアも選択され効率化されているわけです。

さて、僕は地方や企業のメディアPRのお仕事を通じて感じたことは、リアリティの共感がないとコミュニケーションは取れないのだなぁということ。土を触って野菜を育てる農家さん、朝日が昇る前に漁に出かける漁師さん、特産品を販売するメーカーさん、リアルな生産現場や販売の現場を見ることで、いかに自分が机上の空論で生きてきたかを実感したんですね。要するにリアルな野菜を作っていないので共通の感情を共有できないんです。茶菓子を持って挨拶しても無機質というか本当の意味でのコミュニケーションが取れていない感覚を覚えていました。

そんなときたまたま農家の友人から地元でレンタル農園をオープンするという話を聞いて、参加させてもらうことにしました。それが自分にとって人生観を変えるほど価値があるものになったわけです。農園には50区画ほどのスペースに分かれていて、年間費用を払って農家さんのサポートを受けながら野菜作りを楽しむわけですが、家族やご夫婦で楽しむ方が大勢来られていました。畑では野菜を育てるというみんなが同じ価値を共有しながらコミュニケーションを取れることがとても新鮮でした。多くの農家さんとも出会うこともできますし、育てた野菜
を仕事場に持っていくとお菓子の差し入れの100倍も喜んで貰えます。

その時にはじめて「人は野菜を育てた時間という価値に感動してくれるのだ」ということを身をもって学びました。そこからTAN-SUでも毎年、農業体験も企画して多くのご家族の方に参加いただきましたし、アーティストにも参加してもらって青空ライブを企画したりと、農業×いろいろなものが掛け算されていきました。千葉県柏市の農園で5年お世話になって、2018年からは僕の地元の千葉県野田市に場所を移して今でも続けています。一見、自分のお仕事とは関係ないと思われることにこそ価値が潜んでいるし、6次産業化なんて叫ばれていた2011年前後は世の中のライフスタイルの転換期でしたね。

ストラクチュアル・ホール

tokumoto.jp

徳本昌大さんのブログを引用。
ストラクチュアル・ホール理論は、シカゴ大学のロナルド・バートが主導した理論です。  

 

 

ネットワークの隙間の空間を意味しますが、僕はこの言葉を知って、いろんな業界の方と直接繋がることが今後の価値になるのではないかと考えました。その中で一番興味があったのが農業だったんです。野菜作りは本当に面白くて、おかげさまで農家さんとも出会うこともできるし、八百屋さんとも出会うことができます。最近は食品メーカーさんや農業機材のメーカーさんなど野菜を通じて様々な業種の方と縁をいただいています。


価値づくりをライセンス化し、異業種とのジョイントがポイント!

しかも今はベジパンズという野菜のキャラクターがスーパーやドラッグストアの商品として並んでいるのもとっても不思議なんです。これは東洋アルミエコープロダクツ株式会社さんとの出会いから生まれた商品です。今から時間を巻き戻してみると10年前から未来づくりは始まっていたのかもしれません。僕はライセンス時代が来るとずっと思ってきたわけですが、ライセンスの中身は信用や価値です。いかに価値づくりができるか、オリジナリティとリアリティを兼ね備えた価値づくりです。そして中小企業や小規模事業者にはこの価値づくりのクリエイティブの質が重要です。

 

体験先行型のビジネス時代において、ハードを売る時代は終わってしまいました。サブスクのように毎回新しいサービスを提供し続けられるリソースが求められる時代でもありますが、それぞれの持ち場のサブスクを探してみるといいかもしれません、自分の価値は何なのかを分析し、継続性のあるサービスかどうかを見極めていく。小さくても誰かの心に残る物語はやがて大きな価値になるのだと思います。


それでは、今日も張り切っていきましょう!


山口やすゆき